昨年10月、オイスカは国連生物多様性条約事務局と基本協約を結び、青少年を中心とした生物多様性保全活動の啓発普及に双方が協力し、取り組むことを約束しました。そして国際森林年であり国連生物多様性の10年がスタートした本年、オイスカは青少年への啓発普及にもより一層の力を入れ、国内外で「グリーンウェイブ」を推進し、世界13ヵ国105ヵ所にて約1万4000名が参加しました。
昨年のグリーンウェイブをきっかけに「子供の森」計画への参画を開始したモンゴルでは、ウランバートル市青少年局の協力を得て本年も植林を実施。5月14日、同市青少年局に所属する各地域のグループ代表の子どもたち約30名を集め、乾燥に強いカラマツと白樺、合わせて100本を植林しました。広大な砂漠地域に緑が広がる日を夢見て、オイスカ・モンゴルの挑戦は続いています。
日本では、6月4日の「富士山の森づくり」に親子連れや駐日大使、外交官を含む21ヵ国272名が参加。ブナ、ミズナラなど郷土樹種の植林やシカ害対策ネットの取り付けなどを行いました。
富山県では、6月12日に富山県支部が里山保全の森づくり活動を開催。日本ボーイスカウト富山第10団の子どもたちや北陸電力(株)などから親子連れなど80名が参加し、植林活動や自然観察を行いました。今回は 日本植木協会より記念樹として桜の苗木を寄贈いただき、同支部がどんぐりから育てたコナラの苗木と合わせて105本を植林しました。植樹後は、〝虫の視点〞で自然を観察するネイチャーゲームの実施や豚汁をふるまったりと、子どもから大人まで皆が楽しめる一日でした。
そのほかの国でも、昨年の経験を活かし、さらに環境教育内容を充実させた取り組みが多く見られました。これらの活動は地球規模での緑化活動の大切さや、自分たちの暮らしを支える生物多様性の重要性を考えるきっかけとなるなど、多くの学びの機会となることから、オイスカは今後も同キャンペーンを推進していきたいと考えています。
*国連生物多様性の10 年
2011年から2020年の10年間を「国連生物多様性の10年」として、国際社会、市民社会が一体となって生物多様性の損失を抑えるための重点期間とするもの。日本のNGOなどの働きかけを受け日本政府が国際社会へ提案し、国連総会で決議された。