公益財団法人オイスカ(国際協力NGO、本部:東京都杉並区)は、花王株式会社の支援を得て『タイ北部“FURUSATO”環境保全プロジェクト』を開始しました。
花王は、環境問題をグローバルな社会課題としてとらえ、長年実施してきた国内の緑化活動に加え、海外での活動を展開して持続可能な環境づくりによる新たな貢献を検討していました。一方オイスカは、タイ北部の環境劣化に取り組む中で、新たな連携パートナーを探していました。そうした両者の思いがひとつになり、今年度、タイで環境保全のプログラムを開始することにいたしました。
本プロジェクトでは、森林の回復と持続可能な保全に取り組むため、植林活動と地域の住民の支援を実施します。地域住民の参加を得ながら、地域の植生に適合した種を、5年間にわたり計35ヘクタールの広さに植えていくとともに、住民に向けた環境保全についての重要性を学ぶプログラム等を実施します。これにより、プロジェクト終了後も、地域の住民が継続して植林とその管理に取り組むことができ、持続可能な環境保全につながるように支援してまいります。
※プロジェクト名は、里山に囲まれ、持続可能な産業が営まれる「ふるさと」のイメージを地域の住民と共有し、彼らが誇れるようなコミュニティーづくりに寄与したいとの考えで名づけられています。
「タイ北部“FURUSATO”環境保全プロジェクト」概要
<背景>
プロジェクト対象地のタイ北部は、かつては在来種の木々が生い茂る森が広がっていましたが、伐採や土地開発により、急速に森林が失われました。また、伐採跡地を焼き畑により農地に転換したり、単一作物栽培等を行なってきたことから、土壌の劣化も進んでいます。急激な森林減少や土壌の劣化は、洪水、土砂崩れ、乾期の山火事と煙害、自然の自浄作用の低下につながり、人々の生活にさまざまな影響を及ぼしています。
<実施期間>
2012年4月~2017年3月(5年間)
<実施場所>
タイ北部、チェンライ県チェンコン郡 タムボンリムコン地区
<取り組み内容>
① 植林活動
5年間で計35ヘクタールに植林。伐採された森を再生することで生態系を回復し、自然災害等に強い環境を取り戻す
・地域固有種など、植生に配慮した種を植林
・地域住民による生育管理を支援
② 地域住民への支援
環境保全の重要性に対する地域住民や子どもたちの理解を深め、植林や環境保全活動を継続させるための基盤をつくる
・子どもたち・地域住民への環境教育活動
・環境負荷の少ないライフスタイル選択につながる提案・有機農業技術指導
実施:公益財団法人オイスカ、オイスカタイランド
連携パートナー:花王株式会社 (社長・澤田道隆)