2022年3月4日

インドネシア 感染防止策を講じ研修事業を再開 ほか【オイスカ誌ニュース】

  • 海外ニュース
  • ※オイスカ誌2022年3月号に掲載した海外ニュースをまとめてご紹介します


    インドネシア 感染防止策を講じ研修事業を再開

    第39期正規研修生入所式
    農業研修の様子

     2021年10月下旬、インドネシアのスカブミ研修センターでは、コロナ禍のため休止していた研修生の受け入れを再開、第39期の正規研修生をセンターに迎えました。通常、正規コース(約1年間)では、30名の研修生が学びますが、今回は定員の半分程度となる17名に制限。また、22年1月初旬には、2つの農業高校からの短期研修生13名も加わり、活気を取り戻しつつあります。

     研修休止期間中は、本来であれば研修生が中心に作業を行う農場の管理、また鶏や牛などの家畜の世話も、スタッフが一丸となって行い、先の見通せない中、研修再開に向けた備えを、日々行っていました。そしてコロナの感染者数が落ち着いたタイミングで再開を決定。 研修生の入所に際しては、公共交通機関の利用を禁じ、自家用車などで自宅からセンターまで移動することを義務付けたほか、入所前に全員に対して迅速抗原検査を実施。さらに正規研修生は入所後1週間、短期研修生は5日間の隔離期間を設け、最終日に再び抗原検査を実施するなど、感染防止対策を徹底して受け入れに臨みました。

     農業高校からの短期研修生は「学校ではオンライン授業が中心で、実習は週に1回のみ。オイスカでは毎日農作業ができて楽しい」「研修センターでは、正規の研修生と同様に扱ってもらい、将来働く上で大切なことが学べる」と話し、前向きに研修に取り組んでいます。また、研修を担当するスタッフは「生活改善研修でも衛生管理の指導はしてきたが、コロナ禍で今まで以上に衛生面に気を遣うようになった。研修生にもしっかりと感染予防の知識を伝えたい」と、緊張感を持って指導にあたっている様子がうかがえます。

     また、カランガニアル研修センターでも、スカブミ同様、12月以降、農業高校や大学からの短期研修生を、1月には、第36期正期研修生も受け入れ、感染対策を講じながら研修を再開しています。

    オイスカ香港総局 石見康雄事務局長が在外公館長表彰を受賞

    表彰状を手にする石見事務局長

     1月6日、オイスカ香港総局の石見康雄事務局長が在外公館長表彰を受け、岡田健一在香港日本国総領事(大使)より、表彰状を授与されました。同表彰は、日本と諸外国・地域との相互理解や友好親善の促進に寄与した個人および団体に対して当該国の日本大使・総領事が授与する顕彰です。

     石見事務局長は、1996年から香港総局で活動し、植林などの環境保全活動に注力してきました。また、香港の青年を日本に派遣して文化交流の機会を創出するなど、友好親善を推進。近年は、香川県が委嘱するKAGAWAアンバサダーに就任し、同県と香港とのネットワーク構築や各種情報発信などにも努めてきました。

     そうした25年間にわたる日本と香港の相互理解、友好親善の促進に貢献したことが認められ、今回の受賞となりました。石見事務局長は、「オイスカの一員として業務を遂行してきた中での受賞であり、オイスカの活動が評価されたのだと感じている。総局メンバーも我がことのように喜んでいる」と話しています。尚、石見事務局長は3月より四国研修センター所長代行に就任。

    今後は、香川県に拠点を移し、オイスカの人材育成事業を担っていきます。

    フィリピン 台風被災地の復旧日本からの支援で進捗

    倒れた大木の一部は机などの材料として使われる予定
    20mも吹き飛ばされた蚕室

    オイスカ誌2月号で既報の通り、21年12月16日から17日にかけてフィリピンを直撃した台風22号によって、ネグロス島にあるバゴ研修センター(以下、センター)は深刻な被害を受けました。冬募金による寄附金を含め、多くの支援が寄せられています。皆さんのご協力に感謝申し上げます。

     センターでは現在もなお、損壊した建物の復旧作業に励んでいます。倒れた大木の処理は終わりましたが、 今後その一部は専門家の協力の下、机や椅子の材料に有効活用する予定です。

     また、ネグロス島の主にマビナイ地域、サンカルロス地域などの43軒の養蚕農家も大きな被害を受けており、住居は仮修理を終え、生活ができるようになりましたが、養蚕のための蚕室(蚕を飼育する建物)の修復が思うように進まず、センターの養蚕普及員と計画を練っているところです。

     地域によっては電気などのインフラの復旧に時間を要しているほか、 南ネグロス地域では、台風時の洪水被害も深刻なため、センターから支援物資を届ける活動も行っています。

     センターの渡辺重美所長は、「日本からのご支援で倒木処理作業や施設修復のための資機材が購入でき、ありがたく思っている。また、たくさんの心配の声も届いているが、センタースタッフ一同、強い気持ちで再興に取り組んでいるので安心してほしい。コロナが終息し、日本とフィリピンの行き来がこれまで通りできるようになったら、ぜひセンターをご訪問いただきたい」と謝意を表しています。

    ネグロス台風被災地支援計画

    支援対象/期間~2022年3月末同4~5月同6~8月23年度支援見込み額
    被災養蚕農家・蚕室
    〈全壊15戸〉〈半壊28戸〉
    466万円
    研修センター・倒木処理
    ・ボイラー棟
    ・研修棟
    ・宿舎
    ・食堂
    ・炊事場など
    ・研修棟
    ・宿舎
    ※6月より
    新年度スタート
    784万円
    「子供の森」計画長期休暇中参加校の被害状況およびニーズ調査。
    支援内容検討
    調査に基づいた支援を実施未定
    支援見込み額700万円550万円未定未定1250万円

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