2015年5月1日

国連防災世界会議で職員がプレゼン 海外での減災の事例を紹介 海岸林再生の取り組みも世界に発信

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  • 長さん
    イグナイト・ステージでは海外からの参加者らにオイスカの防災や減災に関する事例を紹介

    3月14〜18日、宮城県仙台市で第3回国連防災世界会議(以下、会議)が開催されました。地球上で頻発する自然災害などへの対策や復興に至る経験を国を超えて共有するなど、国際的な防災戦略を議論する場となったメインの会議には世界187ヵ国から政府関係者や専門家ら約6500人が、また一般市民にも公開されたパブリック・フォーラムには延べ15万人以上が参加しました。

     

    佐々木さん
    海岸防災林をテーマにしたシンポジウムで発言する名取事務所統括の佐々木。会場は立ち見が出るほどの盛況だった

    オイスカは16日、海外事業部調査研究担当部長の長宏行がメイン会議の中で行われた各種機関や研究者らが発表を行うイグナイト・ステージで、主に海外の事例を中心に海岸林やマングローブ、サンゴ礁の再生活動やその減災効果を紹介しました。東日本大震災後にスタートした「海岸林再生プロジェクト」についても、そういった海外での経験が基礎になっていること、どの事例も地域住民と共に10年、20年という長い年月をかけて進めてきた地道な活動であることを強調。2013年11月に大型台風ハイエンにより甚大な被害を受けたフィリピンでは、長期にわたりさまざまなステークホルダーと協働してきたマングローブ植林の取り組みが実を結び、多くの人々の命を守った事例に、海外の参加者からは高い関心が寄せられました。

     

    パネル
    会期中の16日から月末にかけて宮城県庁で「海岸林再生プロジェクト」の写真パネル展も実施。来庁者らが足を止めて説明を聞く姿が見られた

    パブリック・フォーラムでは二つのセッションにおいて「海岸林再生プロジェクト」の取り組みを発表。15日の公社国土緑化推進機構主催によるシンポジウム「学び育てよう財産と命を守る海岸防災林」では、名取事務所統括の佐々木廣一がパネリストとして登壇、翌16日には「東北防災・復興パビリオン」のプレゼンテーションステージで啓発普及部副部長の吉田俊通が、プロジェクトのこれまでとこれからを発表しました。

     

    また、会議に合わせ被災地やプロジェクトの現場を巡るバスツアーを15日に開催。バス3台に分乗した約130名の大半は名取市民で、「全国からボランティアの皆さんが来てクロマツのお世話をしてくれている。地元が動かないわけにはいかない」と、ツアー参加の理由を語り、熱心に植栽現場を視察する姿が見られました。

    ツアー
    クロマツの植栽現場を視察し、順調な生育を目にする
    参加者ら

    会議では、東日本大震災をはじめとする各国の巨大災害で得た教訓が共有され、10年前の第2回会議で採択された「兵庫行動枠組」の後に続く防災の具体的な行動指針として「仙台防災枠組」と、 会議の成果をまとめた「仙台宣言」が採択され幕を閉じました。

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