2009年7月3日

ミャンマー農林業研修センター  政府奨励で広がる「オイスカ米」栽培

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  • ダポック苗床を前に農民に助言するセンターのスタッフ(左)
    ダポック苗床を前に農民に助言するセンターのスタッフ(左)

    中部乾燥地帯にあるオイスカ・ミャンマー農林業研修センター(以下センター)のコメの乾季作普及活動が順調な広がりを見せています。昨年5月、南部デルタ地帯を中心に超大型サイクロンに襲われて、肥沃な穀倉地帯が大打撃を受けたことは周知の通りです。食糧備蓄の重要性を痛感した政府は乾季の稲作栽培を奨励していますが、雨水に頼ってきた中部乾燥地帯では乾季にコメを作る経験に乏しい農民が少なくありません。

    そこで〝ダポック方式〟という、フィリピンで慣行されている苗作りにセンターが改良を加え、普及することにしました。ビニールシート、バナナの幹の皮、新聞紙など身近にある材料を敷き、その上に砂とボカシと薫炭を混ぜたもので苗床を作り、籾を蒔きます。土に替え燻炭で覆い、こまめに散水して出芽させると約18日間でマット状の稚苗となり、田植えができます。水が少なくてすみ、乾季に適した〝省水育苗〟方式です。

    奨励しているのは住民が〝オイスカ米〟と呼んでいる品種です。オイスカのネットワークを通して数年前にフィリピンから導入され、センターで栽培と採種が繰り返されてきた、味が良い・収量が高い・乾燥に強い、という三拍子揃った品種です。ミャンマーではコメの1ha当り平均収量(籾)は約3900kgですが、オイスカ米は平均で5000kgを超えています。南部デルタ地帯では6500kgを記録しました。

    ダポック方式の苗作りとオイスカ米の組み合わせによる稲作はミャンマー農業省でも奨励されています。

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