2009年4月1日

タイ東北部で「地球環境基金助成」事業 自然環境守り育てるための力を子どもたちに

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  •  1本1本丁寧に苗を植えていく。力を合わせることも大切な学び
     1本1本丁寧に苗を植えていく。力を合わせることも大切な学び
    集めた落ち葉や家畜の糞を使って堆肥も自分たちで作る
    集めた落ち葉や家畜の糞を使って堆肥も自分たちで作る

    2008年度、オイスカは地球環境基金の助成を受けて、タイ東北部のスリン、コンケンの2県で学校林造成と環境教育事業を実施しました。地球環境基金は、民間団体の環境保護活動を支援するために環境再生保全機構が創設した助成金です。

    タイ東北部は、厳しい自然環境のために国内で最も貧しい地域といわれています。農業を主産業としていますが、雨季には洪水、乾季には旱魃の被害を受け、さらには塩害もみられるなど過酷な条件の土地です。そうした環境を改善するためには地道な緑化活動が必要ですが、それと同時に時間のかかる緑化活動をしっかり担っていけるよう、人々の意識を高めていくことが大切です。

    この助成事業では、単に植林を行うだけでなく、植林に至るまでの準備作業も指導しています。子どもたちは自ら苗を作り、植え、管理して育てていくという一連の作業を通して、樹木や自然の大切さを学んでいきます。

    また環境教育活動では、自然を身近に感じ、その適切な利用方法を学ぶために、ハーブの栽培や草木染などさまざまな実習を取り入れています。その中でも力を入れているのが、有機農業の実習です。有志の生徒たちを対象に、校内の畑で米や野菜の有機栽培を教えています。収穫した作物は生徒が自宅に持ち帰ったり学校給食に利用したりして、地域の人々の食生活の改善に役立てられます。

    活動に参加している生徒の多くが、農業で生計を立てている家庭の出身。卒業後は家族とともに農業をする生徒も多いといいます。「子どもたちがこの活動を通じていろいろな有機農業の方法を学び、将来農業で生計を立てていくためのアイディアを得ることができれば」と願う先生たち。まだ小さな活動ですが、学校を通じて地域に有機農業を広めることで、将来的に地域全体の環境や農業経営の改善につながることが期待されています。

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