2020年10月7日

【海外ニュース】「子供の森」 計画コロナ禍に負けずグリーンウェイブ推進 ほか

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  • 「子供の森」計画 コロナ禍に負けずグリーンウェイブ推進

    フィリピンでも、学校や家庭など5 5ヵ所で実施、4 2 2 人が参加した(バゴ市 クリステータ A ドーミド小学校)

    5月22日の国際生物多様性の日を記念した環境保全活動として、「子供の森」計画(以下、CFP)の参加校を中心に、多くの学校や団体が参画してきたグリーンウェイブ。特に今年は、国連生物多様性の10年の最終年ということで、これまで以上の盛り上がりが期待されていました。しかし、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、活動国の多くで学校が閉鎖。特に4〜6月のグリーンウェイブ期間は、各国で各種規制が強化されており、学校や地域をあげて取り組むことは困難となりました。

    毎年精力的にグリーンウェイブに参加してきたインドネシアでも、感染者の増加に伴い、厳しい移動制限や集会の規制、学校の休校措置がとられました。不安や緊張感を増幅させるニュースによって、精神的な疲弊もみられる中、現地スタッフたちは、少しでも前向きな気持ちを拡げたいという思いで、コロナ禍でも実施可能な活動内容を検討。学校や関係者に、児童生徒らの家庭も対象にした活動を行いたいと相談したところ、想像以上に多くの賛同が得られ、これまでの最多となる182もの場所で活動を行うことができました。

    初めて自宅で植樹した子どもも多く、 「家族と一緒に環境について考える機会になった」との感想が聞かれました。CFPコーディネーターやオイスカのスタッフにとっても、このような機会は滅多にないことであり、STAY HOME期間ならではの貴重な時間となりました。

    実施が危ぶまれた今年のグリーンウェイブ活動でしたが、ほかの国においても、安全面に配慮しながら小人数での植林を実施。身近な人たちとふるさとの環境や未来について考える機会をつくり、暗いニュースが続く中、地域に明るい話題を提供しました。

    バングラデシュセンター自立に向け日本から牛を支援

    7月12日、バングラデシュのダッカにある研修センターに、親子の牛2頭が到着しました。母牛からは毎日搾乳ができ、現地では貴重な、新鮮な牛乳として販売できるようになりました。子牛は約1年間、センターで飼育し、肉牛として出荷される予定です。

    この牛は、センターの自立支援を応援しようと、刈谷推進協議会、豊田推進協議会をはじめ愛知県の会員有志からの支援で購入されたものです。

    センターでは野菜栽培のほか養鶏も行っており、農薬を使わずに生産される野菜や卵は、特に首都ダッカで人気が高まっています。また、現地で手に入る牛乳は、水などを混ぜているものが多い中、オイスカで生産した牛乳はそうした混ぜ物をしていないことから、新鮮で安全だと評判で、予約が殺到。安定的な生産に期待が寄せられています。

    また、センターでは「日本からの支援で生産できるようになった牛乳を、地域貢献につなげよう」と考え、ダッカ市内の孤児院で共同生活を送る子どもたちにプレゼントしました。この取り組みは、今回の自立支援を提案した小杉辰雄ミャンマー駐在代表(バングラデシュの活動も統括)のアドバイスによるもので、小杉代表は、「オイスカが取り組む課題は、貧困、環境と大きなテーマだが、目の前の温かみある小さな活動の積み重ねも大切してもらいたい。乳牛は一頭20万円ほどかかるが、センターの自立につながると同時に、そうした気風を醸成する機会になればうれしい」と話しています。

    センターでは、新たに整備した牛舎の管理などにも力を入れ、今後はさらに牛の数を増やしたいと意欲を見せています。

    ランプーン農林業センター現地に移管後も地域の拠点として活用

    来年オイスカは60周年を迎え、「子供の森」計画(以下、CFP)は活動開始から30周年を迎えます。CFPを中心とする緑化活動など、地球環境問題に力を入れることが正式に発表されたのは創立30周年を迎えた1991年のこと。翌92年には、タイ北部のランプーン県に研修センターを開所し、地域の緑化推進の拠点となり得る役割を持たせようと「農林業センター」(以下、センター)と位置づけました。

    開所から28年、多くの研修生を輩出してきたセンターですが、この度、土地の所有者であるプラプッタバートタクパー寺に土地を返還し、建物および現在行っている農業や植林などの活動も移管することになりました。

    8月14日、寺院や自治会、学校の関係者のほか地域住民、また地元政府からは保健所や森林局などの職員が参加し、返還式が行われました。コロナウイルス感染拡大防止の観点から、規模を縮小しての実施となりましたが、近隣県のオイスカOBたちを含め、約30名が参集、これまでの活動を振り返りました。

    プラプッタバートタクパー寺の住職とプロジェクトを引き継いだ責任者からは、「今後も地域住民が学べる場として農業に取り組み、オイスカのこれまでの歩みを止めることなく、人材育成に取り組んでいきたい」との抱負が述べられ、また、「薬草などの栽培にも力を入れ、人々を精神的にも肉体的にも癒す場としていくことを約束する」との言葉も聞かれました。参加者や地域住民ら約70名でセンターに200本の苗木を植え、式典が締めくくられました。

    春日智実駐在代表は、「オイスカの支援による運営ではなく、地域が主体となって運営されるセンターとなっても、 理念や活動が引き継がれることが確信できた。最もよい形で現地移管できたのではないか」と話しています。また、OBからも「センターはオイスカのものではなくなったが、これからは自分たちがそれぞれに活動している現場を、オイスカの人材育成に積極的に活用してもらいたい」との声も聞かれました。

    バングラデシュサイクロン被災地にトタン屋根支援

    5月20日にバングラデシュに上陸した大型サイクロン「アンファン」は、各地に大きな爪痕を残しました。特にサイクロンが通過したベンガル湾に面したクルナ県バティガハタ郡では、 家屋や農地などが浸水被害を受け、住民の生活が困窮。同郡ではCFPや河川敷でのマングローブ植林を実施してきたことから、被災住民への支援を検討していましたが、同国でも新型コロナウイルスの感染拡大により、人や物資の移動ができず、支援活動が行えずにいました。

    8月15日、ようやく首都ダッカ在住のCFP調整員の移動許可が下りたため、現地を訪れ、マングローブ植林プロジェクトの被害状況を確認する傍ら、住民の被災状況を調査。家の屋根が飛ばされたものの、ビニールやヤシの葉などによる簡易的な復旧しかできずにいる家庭7軒に、トタン屋根配布やトイレ修復の支援を行いました。

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