2021年10月1日

「海岸林再生プロジェクト」石碑建立除幕式を開催 震災とその復興を後世に ほか

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    石碑建立除幕式を開催 震災とその復興を後世に

    2014年の植栽地脇に建立された石碑
    葦原に建つ “愛林碑”

     2011年から宮城県名取市で取り組んできた「海岸林再生プロジェクト」は10年目を迎え、今年度からは第2次10ヵ年計画がスタート。現在も、植栽された37万本の管理作業が続けられています。この植栽地のほぼ中央に、名取市海岸林再生の会(以下、再生の会)による石碑が建立され、7月21日に除幕式が開催されました。

     高さ2・4mの巨大な石碑には、東日本大震災の津波による被害について、また、被災した地域住民らで結成された再生の会が、オイスカや自治体と共に取り組んできた海岸林の再生について、詳細に書かれています。海岸線に対して直角に据えられた石碑を前に、再生の会の佐々木廣一事務局長は、「この石碑は、未曾有の大震災とその再生復興を後世に伝えるためのもの」と話しました。また、万が一、再び津波が来てもその勢いで倒されないよう、このような向きで設置していることを説明し、100年、200年先まで伝えなければならないと強調しました。

     400年にわたり、再生の歴史を繰り返してきた名取の海岸林の一角には、「愛林碑」と刻まれた石碑があります。1950年代に建立されたもので、「明治末期まで鬱蒼たる防潮林」だったことや「年毎の風水害と海水の侵入によりほとんどの立木が枯死」したこと、また、「防潮林の造成にあたっては絶えざる努力、献身的な作業が必要とされた」ことから、この経過を記録し、一致協力して保護育成に努め、その目的を達成するための石碑であると記されています。「祖父の名前が刻まれている」「除幕式に連れて行かれたのを覚えている」と話す再生の会のメンバーもいて、今回の石碑建立は、この愛林碑のように後世まで大事なことを伝える役割を担ってもらいたいという思いが強く、右下がりの形を模しているところからもその思いが感じられます。

     コロナ禍でもあり、参加者は名取市の関係者やプロジェクトに携わってきた宮城中央森林組合などの代表者らのみを来賓に迎えるにとどめ、規模を縮小せざるを得ませんでしたが、これまでのプロジェクトの推移を報道してきたテレビ局や新聞社など、多くの報道陣による取材が行われ、注目を集める除幕式となりました。

    オイスカ高校
    「浜と松プロジェクト」で鎌田實賞を受賞!

    受賞を喜ぶ青木さん(前列左)と松本さん

     歌手のさだまさしさんが創立した 風に立つライオン基金が主催する「高校生・ボランティアアワード2021」。今年は8月17日に名古屋国際会議場からオンラインで開催され、オイスカ高校が全エントリー129校の中から選ばれ、鎌田實賞を受賞しました。同アワードは、全国の高校生が社会のために日々取り組んでいる地道な活動を応援するためのもので、高校生が自分たちの取り組みを発表し合い、互いに交流する中で理解を深め、切磋琢磨する場となっています。

     オイスカ高校では、今年度より「環境SDGsプロジェクト」を立ち上げ、SDGs達成のためのさまざまなボランティア活動を展開。浜松市の中田島砂丘と海岸林の保全を行うために2015年にスタートした「浜と松プロジェクト」活動を軸にエントリーしました。動画やポスターによる事前審査予選オンライン発表交流会を通過し、8月17日の発表大会に参加する16校の1校に選ばれました。

     発表当日、2年生の松本海也さんと3年生の青木絵夢さんが、自分たちの活動を分かりやすく伝えようと、映像やポスターなどを準備してパソコンの前で奮闘。夏休み期間中でしたが、部活動の練習のために来校していた生徒や同じ敷地にあるオイスカ開発教育専門学校の学生らが応援に駆けつけました。

     発表では、野球部の発案で実施した中田島砂丘における「ごみひろい選手権」も紹介。部活動対抗で、拾ったごみの量や種類などをポイント形式で競うこの取り組みは、海の環境を守るための活動をスポーツの要素と組み合わせて実施した点が「高校生ならでは」と評価され、同基金の評議員であり、今回の発表大会のオブザーバーを務めた鎌田實さんを冠した賞(特別表彰)の受賞につながりました。

     松本さんは「活動を支援してくださる市民団体の皆さんや先輩、先生方のおかげで受賞できた。長年継続してきたたくさんの努力の積み重ねがあっての受賞で、とてもうれしい。今後も多くの人に参加してもらえるよう呼びかけたい」と喜びを語りました。

    中部日本研修センター
    サマースクールの40名に各種体験の場を提供

     中部日本研修センター(以下、センター)では、8月18〜21日、修養団が主催する愛知サマースクールに参加した小学1〜6年生の児童ら40名を受け入れ、研修生との交流や田んぼでの泥遊び、夏野菜の収穫体験など、センターならではのさまざまなプログラムを提供しました。

     修養団は、115年の歴史をもつ社会教育団体で、青少年の健全育成を目的としたさまざまな活動を展開しています。青少年事業の一環として、毎年夏休みに実施しているサマースクールの会場として、志を同じくするオイスカのセンターが、今年初めて選ばれました。

     愛知県内における新型コロナウイルスの感染拡大と時期が重なったため、センターでは、宿舎や食堂など、さまざまな生活の場面での対策を徹底して受け入れを行いました。小杉裕一郎所長は「開催にあたっては心配もあったが、子どもたちが生き生きと活動し、時には感動の涙を流す姿を目にし、彼らの成長につながる体験の場を提供できてよかった」と話しました。

    住友化学がオンラインによる報告会を開催

     1974年の入会以来、長年にわたりオイスカの活動を支援している住友化学㈱では、住友化学労働組合との協働により、「マッチングギフト制度」※のもと、現在、「子供の森」計画、「海岸林再生プロジェクト」を継続的に支援しています。また、過去に支援していたタイ・ラノーン県でのマングローブ植林プロジェクトには国内外のグループ会社を含む従業員延べ180名、 支援中の「海岸林再生プロジェクト」では宮城県に約120名をボランティアとして派遣するなど、活動にも積極的に参加してきていましたが、現在はコロナ禍で現場に足を運べない状況が続いています。

     そのような中でも、支援プロジェクトの現状を知り、自分たちにできることを考える機会にしようと労使共催で、オンラインによる活動報告会が8月25日に開催されました。オイスカスタッフから、各支援プロジェクトの報告がなされ、タイからは春日智実駐在代表によるレポートのほか、スリン県の「子供の森」計画に参加する子どもたちや、ラノーン県のマングローブ植林プロジェクトで管理作業に携わる地域住民らの生の声が中継で届けられ、現地での活動について報告しました。

     報告会には、これまでボランティアに参加したことのある従業員を中心に、約170名が自宅や職場から参加し、現地からの報告を視聴。参加者からは、タイとの中継が好評で、「臨場感があってよかった」「現地の様子がよく分かった」といった声が聞かれました。また、ボランティアに参加経験がある方からは、「タイで大歓迎してくれた村人が元気で植林活動を継続している姿に、懐かしさと感動から涙があふれた。この会社に勤務できてよかった」との感想も寄せられ、企業・団体の社会貢献活動の意義があらためて確認できる取り組みとなりました。

    ※2007年からスタートした従業員と会社が一体となって行う社会貢献活動の一つ。住友化学グループの役職員から募った寄附と同額を会社がマッチングして拠出する制度

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