7月17日~19日にかけて、日比NGOネットワーク(JPN)、アジア・コミュニティー・センター21(ACC21)、フィリピン・日本NGOパートナーシップ(PJP)の主催により、第2回「日比NGOシンポジウム」が東京の日本青年館および国際文化会館において開催されました。このシンポジウムは、NGOをはじめとする市民社会の民間部門間のパートナーシップを構築し、長期協働計画を立て、フィリピン社会の貧困層のエンパワーメント(生活改善と自立)に寄与することを目的として、2006年度から開かれています。第2回となる今年は、外務省、在日フィリピン大使館等の後援を受けて実施され、日比両国約30のNGOおよび政府関係者が出席。初日、開会式には日比友好議員連盟会長の中山太郎衆議院議員や在日フィリピン共和国ドミンゴ・シアソン大使も出席するなど、今回のシンポジウムへの期待とその重要性を印象付けました。
最初の基調講演ならびにパネル・ディスカッションには一般市民も多数参加。基調講演でホァン・フラビエー元比国政府保健省長官(前上院議員、NGOリーダー)ならびに広中和歌子参議院議員が、自らの長年にわたるNGO支援活動での経験を通して、NGO自身によるレベル向上の取り組みや政府とNGOがODAに果たす役割などについて、時折ユーモアを交えながら発表を行いました。続くパネル・ディスカッションは、吉田恒昭東京大学大学院教授をコーディネーターに、「NGOは、期待される役割をどのように果たせるか?」をテーマに進行。パネラーの一人としてオイスカ事務局次長萬代保男から、ネグロス島で貧困層の生活向上に大きな成果を上げている養蚕普及事業を紹介。フィリピン国内でも数少ない官民協働の成功事例として、参加者の高い関心を集めました。
また、午後には農業・農村開発や子どもの教育など6つの活動分野ごとに分かれての分科会に移り、参加した両国のNGOによる熱心な討議が交わされました。それぞれが協働していく上でのさまざまな課題も浮き彫りになるなど、将来へ向けた展望が広がる有意義な会合となりました。
第2日目は、日本のNGOの実態に触れる機会として、参加者らは活動分野ごとに関係するNGOを訪問、それぞれの関係者等と意見交換を行い、親交を深めました。
最終日は会場を国際文化会館に移して開催。全体会議において一連のシンポジウムのまとめとして各分野の討議結果を報告し、提言案が発表されました。最後に今後の活動計画として「日比NGOパートナー基金(仮称)」の設立に向けての作業部会発足、第3回日比NGOシンポジウムをフィリピンで開催するなど、5つの提案を盛り込んだ東京宣言を採択して閉幕しました。