去る2008年12月1日から公益法人関連三法が施行され、これまで民法三十四条を根拠に明治29年以来百年余の長きにわたって続いてきた財団法人・社団法人の在りようが大きく変わることになりました。
この公益法人改革により、既存の財団・社団法人は「特例法人」と位置づけられ、5年以内に法律に則って公益または一般法人への移行をしなければ、自動的に解散とみなされ、存続できなくなります。今回の改革の目的は、民間非営利部門の活動の健全な発展を促進し、民による公益の増進に寄与する、というものではありますが、その内容は機関設計や活動内容、会計処理など細かく規定されており、これまで以上に厳しくなっています。
財団法人オイスカは昨年3月に開催した理事会で、期限内に「公益財団法人」の認定を目指す、との機関決定が行われており、これから本格的な移行準備に入っていくことになっています。これは、オイスカの場合、①活動財源の大部分を賛助会費や寄附に依存しているため、支援者の税制面での恩典が大きい、②研修生の受け入れなど、活動内容によっては公益法人でなければ実施できない――などを総合的に判断しての選択です。
公益認定に向けては高いハードルをクリアしなければなりません。また、認定を得たとしてもそのハードルを維持しているか、毎年、内閣府の審査を受けることになり、法令順守、情報公開、説明責任など、準公的機関としての責任が伴ってきます。
オイスカも関係者の意識改革などを通じてこの変革を乗り越え、公益性と国民各位の信頼を高め、創立以来の理念・目的に沿って、活動の拡大を目指して行きたいと思います。