■関西支部「関西のつどい」開催
9月18日、「オイスカ関西のつどい」が国民会館武藤記念ホール(大阪市)で開催されました。新型コロナ感染症対策徹底のもと、「海岸林再生プロジェクト」(以下、プロジェクト)のボランティアや、大阪マラソンでオイスカのチャリティランナーとして出走経験のある参加者など、100名が来場しました。
つどいでは、オイスカ関西支部の岡崎昌三会長より、こ れまでのオイスカのあゆみや活動が説明され、本部海外事業部の浅野奈々穂からは「ミャンマー支援・緊急募金」支援のお礼や報告、来年2月開催の、オイスカがチャリティ寄付先団体となっている「第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会」の案内がなされました。
また、「海岸林再生 今日までそして明日から」と題し、今年度から第2次10ヵ年計画へとステージを移したプロジェクトの現状と今後の課題について、アドバイザーの小林省太氏(元日本経済新聞社論説委員)が講演を実施。会場からは、「防災林として機能するまでには年月がかかるが、これからオイスカはどのように関わっていくのか」「地域や学校と連携した取り組みは行っているのか」など質問が相次ぎ、プロジェクトへの寄附も約3万円が集まるなど、参加者から高い関心が寄せられました。
コロナ禍での開催のため、当初の予定よりプログラムの時間を短縮したり、講演をビデオ撮影し、当日来場できなかった参加希望者に後日配布するなど、対策と工夫をしながらの実施でしたが、多くの方にオイスカ活動やプロジェクトへの理解を深めていただくことができ、有意義な会となりました。
■GYF2021を開催 オンラインで集い世界の若者が意見交換
9月25日、オイスカ創立60周年を記念して、オイスカ・インターナショナルによるグローバルユースフォーラム2021が、オンラインで開催されました。今年4月から6月にかけて「生物多様性と環境保全」をテーマに実施したスピーチコンテストでは、世界14の国と地域から500件以上の応募があり、今回はその参加者を中心に9つの国と地域から150名が集結、同テーマに関する意見交換を行いました。
フォーラムでは、国連生物多様性条約事務局のエリザベス・マルマ・ムレマ事務局長がビデオでメッセージを寄せ、「皆さんは自らの具体的な行動の紹介を通じて、どんな人も生物多様性の危機への解決の糸口となれること、そして仲間を集め、学校や村への植林などを通じて地域社会へも変革をもたらすことが可能だと証明した。未来に向けてこれからもリーダーシップを発揮されることを期待している」と参加者を激励しました。続いて、コンテストで最優秀賞に輝いた4名がスピーチを披露。その後、小学生、中高校生、 大学生以上の3グループに分かれ、話し合いを行い、互いの国の課題やその解決策などを共有しました。 参加者からは、「オンラインでも、海外の仲間とつながることができ、意見交換ができてよかった」といった声が聞かれました。
■「海岸林再生プロジェクト」
日本海岸林学会・林野庁合同の視察・検証を実施
10月2日、日本海岸林学会、林野庁本庁、東北森林管理局から合計20名が「海岸林再生プロジェクト」の現場を訪れ、東日本大震災で被災した海岸防災林復旧現場の検証の一環として視察を行いました。
今回は、2014年に植えられたクロマツの成長のよい場所と悪い場所の比較や、本数調整伐試験地、排水対策を中心に視察が行われました。これまで森林総合研究所と共に調査した「人工盛土の土壌特性に基づくクロマツの成長と根系発達」調査地の土壌断面データや、オイスカ独自の調査地29ヵ所のモニタリング報告書も活用しながら、2時間あまりで6ヵ所を視察。 一行からは、育苗を担った「名取市海岸林再生の会」や林業事業体などのプロ集団と市民参画を併用しているスタイルや、 幹の太さ、枝ぶりの豊富さに感嘆する声や、 ボランティアによる排水溝修復の効果、林内作業道を巨大遊水地化するなどの排水対策の難しさへの驚きの声があがりました。 数年ぶりに現場に来たという林野庁職員は、震災直後の混乱期に人工盛土造成などの復旧計画の全体を自らが設計した現場で、順調に育つ海岸林を感慨深げに眺めていました。
プロジェクトの担当部長として立ち上げから携わってきた吉田俊通は、「久しぶりに第一線の専門家の方々と対面で意見交換できる貴重な機会となった。今後も衛星画像や地中レーダなど、最新鋭の機材を使用した多角的分析が専門家によって長期的に行われる。将来に向けた知見の蓄積につなげたい」と意欲を示しています。