「熱帯林が生い茂る国」というイメージがあるパプアニューギニアですが、近年、外資系企業などによる伐採が急速に進んでいます。目的は木材の収穫とアブラヤシのプランテーションへの転換です。森は、住民の生活に必要なさまざまなものを与えてくれ、住民もその恵みを利用する多くの術を知っています。 しかし、残念ながら多くの住民は、一時的に入る利権収入と引き換えに森を失います。そして失って初めて、そのありがたみを痛感するようです。
オイスカでは、今ある熱帯林を守るための活動を行う一方で、すでに森がなくなってしまった村の近辺に、住民が管理しその恵みを利用できるよう、パプアニューギニア版「里山」づくりを2011年より3年計画で行っています。同国でも最も森林減少率の激しいニューブリテン島北東部にて、住民の生活に役立つ木々など、これまで在来種10種を含む25種もの多様な樹種3千本以上を植えました。
植林地の一部は街道に面し、人の目にふれやすいところに位置することもあり、早くもモデル林としての効果を発揮し始めています。日本の知恵を活かし、ハゲ山のない〝ふるさと〞をつくる試みが、この国の一角で進められています。
※このプロジェクトは、㈱グリフィンインターナショナルの支援、ならびに緑の募金の助成を得て実施しています