2017年6月5日

オイスカ・フィジー サンゴ礁保全で生態系が回復 コミュニティとの連携も強まる

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  • モニタリング(生育状況調査)も定期的に実施
    モニタリング(生育状況調査)も定期的に実施

    オイスカ・フィジーでは、1990年代以降顕著になってきたサンゴ礁の劣化や破壊に対応すべく2002年よりサンゴ礁保全プロジェクト(以下、プロジェクト)に取り組んできました。「国際サンゴ礁年」の08年から17年までは住友生命保険相互会社の支援を受けてプロジェクトを拡大、これまでに10万株以上のサンゴ片の植え付けを終了しています。こうした場所では海洋保全地区を設定し、一般の人々の立ち入りを禁止して、サンゴをはじめとする生態系の復活を目指しており、現在はサンゴのほかにも乱獲が進んだことで数が減っていたオオシャコガイも保育檻の中で順調に生育しています。

     

     

    会場となったアウトリガー・フィジー・ビーチリゾートはオイスカの活動拠点があるビチレブ島のシンガトカ町にあり、これまでも協働でマングローブ植林などを実施してきた。今回は会議場や軽食の提供などの協力をいただいた
      会場となったアウトリガー・フィジー・ビーチリゾートはオイスカの活動拠点があるビチレブ島のシンガトカ町にあり、これまでも協働でマングローブ植林などを実施してきた。今回は会議場や軽食の提供などの協力をいただいた

        3月23日にはセーフティーデイ・ワークショップが開催され、スタッフやプロジェクトが進む2ヵ村の代表者ら60名が参加しました。これは11年1月に当時の駐在員がプロジェクトの視察時に、海中の事故で亡くなったことから、 マングローブ植林も含めた海での活動を安全に行うための意識向上を目指して毎年開催されているものです。
        ワークショップではオイスカスタッフが沿岸での活動における危機管理の実態を報告した後、 漁業省、森林省の担当者らが海洋や森林に関する法律、それらの保全活動に対する助成金などのサポート制度について解説しました。プロジェクトに参画する村の村長らは、海洋資源の盗難など現実に直面している問題を共有し、対処方法を相談する姿も見られました。官公庁や公的機関からの情報が提供される貴重な機会でもあり、参加者からは安全意識向上のためにも継続的な開催を望む声が聞かれました。

     

    自身が経営する製材所のオフィスで笑顔を見せるセミ氏
    自身が経営する製材所のオフィスで笑顔を見せるセミ氏

       またワークショップに合わせて出張した本部海外事業部部長の森田章は、訪日研修生OBらを訪問し、彼らの各方面での活躍の様子を視察しました。その中の一人、メリ・タワナコロ氏は西日本研修センターで学んだ技術を活かし、農業に取り組んでいます。野菜栽培がまだ一般的ではない同国において安定的な生産を続けており、レストランやホテルなどへの出荷も順調で今後は新たな品種に挑戦したいと意欲を燃やしています。ラウトカ県で家業の製材業を継ぎ、日本や中米へ住宅用の床材を輸出しているセミ・レイエネ氏(西日本研修センター卒業)は、従来の収奪型製材ビジネスを、植えて育てて収穫する循環型へと転換し、順調に事業を拡大しています。利益の一部は森林を所有するコミュニティに還元しており、将来的にはオイスカ活動への支援にもつなげたいと語っています。彼らのような意欲あるOBは、オイスカのカウンターパートである青年スポーツ省からの助成金を受けることができ、不安定になりがちなOBたちの自立への心強い支援となっています。将来的にはこうしたOBたちがオイスカ・フィジーの活動を支える存在となることが期待されています。

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