2009年7月23日

総裁、インド、マレーシアを訪問 躍進の基盤見えたオイスカ活動

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    記念講演で挨拶する堂道大使

    7月23日、インド・ニューデリーで「日印友好におけるNGOの役割」を演題にオイスカ・インターナショナル中野良子総裁による記念講演が行われました。この講演会は、インド独立闘士の一人で生涯をかけてオイスカを支えてきた故D・N・シンハ氏の遺徳を偲ぶ「D・N・シンハ記念講演財団」が主催したもので、第4回となる今回は、縁の深いオイスカの総裁が招待され、全国から人々が参集し、会場を埋めました。

    まず、堂道秀明駐インド日本大使が、「発展途上国の農村地域のために貴重な活動を続けているオイスカは日本でもよく知られ、国連にも認知されています」と述べ、「子供の森」計画が首都に隣接するハリヤナ州などで成功していることも紹介されました。同席したハリヤナ州ブーピンダル・シン・フッダー首相は、「日本のインド投資の7割は私の州に集中しており、その州でオイスカ活動も成功しているのが嬉しい」と喜びを表明しました。中野総裁は講演で「モノと心が車の両輪のように調和し、利他の精神と相和して人類の繁栄につながります。オイスカのインドとの関係は1961年の創立時より築かれてきています」と述べたうえで、「BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国)の一員として世界の牽引的役割が期待されているインドは、市民レベルでもアフリカなどの人づくりや食料増産の協力に踏み出すべき時代に来ており、インド総局にはその嚆矢的役割を担うことができる可能性があります」と示唆して来場者の理解と協力に期待を表明しました。60年代中期の深刻な食料危機に日本から多くの篤農家が駆けつけて食料増産運動に尽力したこと、69年にインド青年の日本での研修が始まったことなど、オイスカとインドとの歴史的な関係を示すスライドも上映され、オイスカ活動のさらなる躍進につながる講演となりました。

    また、7月29日には、日本での研修を糧に起業家として自立したOBたちがマレーシア・クアラルンプールに集まり、中野総裁を迎えて団結の強化を誓いました。複合民族国家マレーシアは人口の大多数を占めるマレー系住民の自立を促すための政策があり、その中核を担うMARA公団が67年から日本に工業研修生を派遣し、オイスカに賛同する企業で技能研修を受けています。マレーシア総局を通した農業研修生を合わせると、その数は900名に及びます。

    これに先立つ7月27日、研修生OBたちの相談に応じ、起業や自立を促進するための「オイスカ・ビジネスセンター」が誕生しました。研修生OBの資金協力により、経験豊富な総局役員や会員がボランティアで支援に取り組む仕組みです。マレーシアはBRICSに続く新興国の一つとして国際社会での重要な役割が期待されており、これを視野に入れたOBたちの団結強化が実現しました。

     総裁、マレーシア総局役員を囲む研修生OBたち
    総裁、マレーシア総局役員を囲む研修生OBたち
     
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