- 植栽適期を逃さないよう、また現場で苗木が乾燥しないよう
短時間で一気に行うことが求められる。
一日に一人当たり300本を植える作業は林業従事者が担う
- 「大切な苗木を枯らすわけにはいかない」と
丁寧に植える中野会長。
植栽後、静かに手を合わせその成長を祈った
東日本大震災で失われた海岸林の再生を目指し、10年計画で育苗からスタートした本プロジェクトは宮城県名取市の海岸約100haに50万本の植栽を目指しています。4年目を迎えた本年は、植栽計画の初年度にあたり4月28日から1ヵ月にわたってクロマツなど約7万5千本の苗木が15haに植えられました。現場で鍬を振るったのは、森林組合や林業会社に所属する約70名。長年林業に従事しているベテランでもこれだけ大規模な植栽の経験はなく、また普段の業務は間伐や下草刈りといった保育作業が多いことから、植栽前には技術講習会が開かれました。日々メンバーを入れ替えながら作業班が組まれ、多い日には一日7千200本の植栽にあたりました。5月20日にはオイスカの中野良子会長が現場を訪れ、作業班を激励するとともに植栽に参加。植えられたのは「名取市海岸林再生の会」のメンバーらが2年間かけて大切に育ててきたクロマツの苗木です。
- 将来この森の恩恵を受ける子どもたちも植樹祭に参加
また、同24日には地元の名取市民および宮城県民、プロジェクト関係者ら参加の下、「『海岸林再生プロジェクト10ヵ年計画』平成26年度植樹祭」(主催:名取市海岸林再生の会、(公財)オイスカ/共催:名取市、宮城中央森林組合)が開催されました。名取市の佐々木一十郎市長は「オイスカは行政を当てにすることなく、広く全国に支援を呼び掛け民間からの寄附金で活動を展開している。“名取市民の森”をつくるこの大事業に市民の皆さんが主体となって関わっていく今日がスタートの日となる」とあいさつし、集まった市民ら350名とともに植栽に汗を流しました。この日は1haほどの土地にクロマツの苗木約5千本が植えられ、有志で参加した農業高校の生徒らは「授業で習ったことはあっても実際に木を植えるのは初めて。海岸林の再生に学校として取り組んでほしい」と感想を述べていました。
今後は育苗とあわせ植栽地の管理作業が地元の雇用を創出しながら継続的に行われ、その作業補完のため11月までは毎月ボランティアを募集する予定です。2020年まで続く育苗、植栽、またその先33年まで続く管理作業を通じ“名取市民の森”づくりを進めてまいりますので引き続きご支援よろしくお願いいたします。
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植栽後、静かに手を合わせその成長を祈った[/caption]