この研修は平成22年度外務省国際開発協力関係民間公益団体(NGO事業)補助金組織運営・活動能力向上支援事業として、2010年4月28日から2011年2月28日まで「農村女性の生活改善と村づくり研修」を4ヵ国5名〈インド・インドネシア・パプアニューギニア・フィリピン〉を招聘し現地指導者を育成することを目的とし実施しました。今回招聘された5名は、農村の生活改善の現地指導者としてこれまで現地で活動しており、今回さらに有機農業、農産物加工、調理と食品学・栄養学、保健衛生、洋裁、環境の各課目について知識だけでなく、実習を通じて技術を身につけました。
開発途上国の農村地域では栄養に関する知識が乏しく、食事の栄養バランスも十分ではないため、平均寿命も短く「糖尿病」や「がん」で死亡する人も多くいます。そのため、食品学や栄養学などの知識を学ぶことはとても重要です。また、各国では余剰作物が多く無駄にしていることがあり、それを改善するために農産物加工の実例紹介や応用技術を研修しました。農産物加工は農村社会の女性が収入を得るための手段であり、その技術を学ぶと同時に余剰作物を利用した収入向上のための手法についての研修も行われました。
さらに技術や知識を習得するだけでなく、指導者として必要なリーダーシップ、協調性、プロジェクトマネージメントなどを当該専門の講師を招いての講義や、日本の地域開発の実例視察、規則ある日常生活の中で学びました。各分野の研修を通して研修生は、地域の農村社会のために自国にあった帰国後の行動計画(アクションプラン)を作成し、地域の農村社会の発展のために尽力しようという意欲を高揚させることができました。この研修では、国際協力・技術協力の観点において十分な成果を得られたと評価できます。今後もこの研修を続けていくことで、開発途上国で必要な女性指導者を育成することが期待されます。