2008年10月21~22日、東京都内の国際会議場でオイスカ・インターナショナル国際理事会が開催されました。人間社会が直面するさまざまな問題に対し、会員が力を合わせてともに活動を推し進めていくためには、国境を超えての相互理解・協力が不可欠です。同理事会はそうした場として、また、オイスカの基本理念を再確認する場として、毎年開催されています。今年は、18の国と地域から代表者が参加したほか、オブザーバーとして研修生OB代表や日本国内の地方組織代表など、総勢80名が出席して開催されました。
21日、理事会はオイスカ・インターナショナル・中野良子総裁の基調スピーチで始まりました。「今年の国際理事会は特に重要な意味を持ちます。それは、3年後に迎えるオイスカ・インターナショナル創立50周年に向けた本格的な行動の出発点となることが期待されるからです。皆さんには50周年に向けた行程表の基礎を作り上げる重要な役割があるのです」と、積極的な参加を促しました。
午後は各国の重要報告・提言などが行われました。その中で、環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室長・徳丸久衛氏が、「COP10に向けた日本政府の取り組み、およびNGOの役割に対する期待」をテーマに講演を行い、2010年10月に名古屋で開催される「第10回生物多様性締約国会議」(COP10)について解説しました。
創立50周年を迎えるにあたってオイスカは、このCOP10を一つの道標とし、過去40年以上にわたって実施・蓄積してきた農業開発、人材育成、「子供の森」計画をはじめとする植林などの活動の集大成をアピールする必要があります。そのためにも、より多くの会員を獲得しての組織強化が課題となります。
22日は、創立50周年に向けた取り組みについての具体的な議論が行われました。各国理事や組織代表の意見が飛び交い、「創立50周年調整委員会」を中核とする5つの小委員会の設置が決まり、行程表の基礎ができました。今後の具体的な活動については、各国総局からの報告や提言を上記委員会が取りまとめ、具体的行動に移していくことで承認されました。
23~24日には、出席者が静岡県沼津市にある財団法人国際文化交友会の月光天文台や富士通株式会社の沼津工場を視察しました。国連が制定した「世界天文年」が来年に迫っているため、オイスカの基本理念が天文に依拠していることを踏まえて、国際理事も〝オイスカと天文との関わりをそれぞれの国において広報することを確認しました。
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(財)オイスカ理事 渡辺 忠
中南米に拠点を置いていたため、10年ぶりに国際理事会に触れる機会を得た。各国で活動をリードしてきた国際理事たちの芯の強さに感動させられたし、研修生OBたちが会議に出席できるまでに成長した姿にオイスカの歴史を感じた。初期の研修生たちをアジア諸国から送り出した時代には想像できなかった。活動の勢いが今後も続くとの確信を得た。