2008年9月7日

新たな活動のスタートに向けて タジキスタン共和国での現地調査を実施

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  • 実際に土に触れながら、現地の住民から聞き取り調査を行いました。
    実際に土に触れながら、現地の住民から聞き取り調査を行いました。

    9月7日から19日まで、オイスカ本部の国際協力部副部長・森田章と、西日本研修センターの研修担当課長・豊田敏幸が、タジキスタン共和国で現地調査を実施しました。
    中央アジアに位置するタジキスタン共和国は旧ソ連の独立国です。山間部が国土の90%を占めていますが、農業国として周辺諸国の経済発展を推進していく上での拠点となっています。今回の現地調査は、日本の国際戦略上においてもこの地域の農業発展は重要であるという認識の下、今後持続可能な地域開発に資する技術・知識を提供し、現地NGO・政府関係者を対象に農村開発指導者としての能力向上を推進していくための人材育成を行う方向性を模索するためのものです。

    調査は、タジキスタンのNGOであるMSDSP(Mountain Society Development Support Program:国際的NGOであるアガハーン財団傘下の現地NGO)とのパートナーシップの下、MSDSPの実施している果樹栽培、畜産振興、農業支援などのプロジェクトをタビルダラ郡、タジカバード郡、ムーミナバード郡の3地域で視察しました。同時に各地で土壌調査、果樹の生育調査、住民グループからの聞き取り調査を実施し、今後の指導に必要なデータを得ました。調査期間中、現地の気候は大変乾燥していましたが、隅々まで張り巡らされた旧ソ連時代からの灌漑水路のおかげか、各地で果樹がたわわに実る様子を目にし、また広大な小麦の耕作地などに圧倒されました。一方で、男性の多くは4月から11月の農繁期にロシアへ出稼ぎに出かけ、女性が農作業を一手に担う苦しい生活を強いられている現状も確認し、長い冬の間は家畜の世話以外に仕事がなく、生産性が低いことも分かりました。また、厳しい気候の中、山にはほとんど森林はなく、植林の必要性が高いことが分かりました。すべてを支える土壌に関しても、計画的な土づくりが行われておらず、有機肥料や緑肥などの効果的な施肥により、作物の品質改良や収量の増加が見込まれるため、今後の技術協力のポイントになるのではないかと考えられます。

    オイスカとして、過去47年間の実績を踏まえた持続可能な農業開発を行っていく上で、現地人農業技術者の育成は不可欠です。まずはMSDSPの推薦する現地の人材を日本国内のオイスカ研修センターに招聘して指導者となりうるよう養成し、また、将来タジキスタンへの農業協力を行うにあたっても、オイスカは人材育成を最優先で進め、次の段階に進めるよう推進していきます。

    乾燥した中でもたわわに実るりんごの横で(西日本研修センター・研修担当課長 豊田敏幸)
    乾燥した中でもたわわに実るりんごの横で(西日本研修センター・研修担当課長 豊田敏幸)

    Interview・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    1110-6本部・国際協力部副部長 森田 章
    初めての国は不安7割、期待3割で出かけますが今回は中身の濃いスケジュールで、不安など吹き飛んでしました。イスラム教の断食中ということで心配していましたが、ドライバーは働き者で砂埃の中を車に揺られる毎日。そしてブドウにしろスイカにしろ果物は何でも美味しいです。皆さんも機会があれば是非タジキスタンへお出かけください!

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