2021年10月1日

創立 60 周年記念シンポジウムを開催 技能実習生受け入れ企業による講演も

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  • パネルディスカッションでは、ホスト支部となった愛知県支部の
    光岡保之会長(左)がファシリテーターを務めた

     オイスカは創立60周年を記念し、8月7日、愛知県豊田市でシンポジウム「国際協力支援のカタチを探る」を開催しました。これは、第2回オイスカ支援連携サミットの公開セッションとして行われたもので、シンポジウムに先駆けて実施された会合には、国内4研修センターの所長および、センターがある愛知、関西、四国、西日本の各支部の会長や人材育成事業に従事する職員らが参加し、同事業が直面している課題や今後の方針について議論しました。

     議論の中心となったのは、研修生の送り出し国の著しい経済発展などにより、農業を取り巻く状況も変化していく中、これからの農業研修をどのように展開していくかという点でした。現在コロナ禍で研修生の入国が完全にストップしている中、前年度の研修生が1年の延長をしているケースがありますが、2年目だからこそ高い技術の習得が可能となっていることもあり、最初から2年間のコースを設けることなども提案されました。また、技能実習生の受け入れが拡大する状況にあって、全国の監理団体との差別化を図り、送り出し側にも日本側にもある研修センターで細やかな指導ができるオイスカ方式によるブランド化を進めることの必要性についても話し合われました。

     シンポジウムでは、豊田市内で養豚に取り組み、30年以上にわたり親子2代でこれまで100名を超える外国人青年を指導してこられたトヨタファームの鋤柄雄一代表が登壇。鋤柄代表は、自ら技能実習生の出身国に足を運び、継続的な技術指導を行っているほか、養豚技術向上のために地域住民へのセミナーなども実施しているといった事例を紹介しました。この中で、現在受け入れている、ミャンマーの実習生の技術習得に向けた意欲の高さなどに触れ、「明治時代の日本人のよう」と評価。この日はその中の一人、実習4年目となるウィンが流ちょうな日本語でスピーチを披露しました。日本の養豚が施設や技術面で進んでいることを目の当たりにして、ここでの実習は「たやすいことではない」と感じたことや日本語の難しさに直面しながらも、技術習得には日本語の学習も欠かせないと、あきらめずに学び続けてきたことが語られました。「養豚で成功してほしい。ふるさとの発展のためのリーダーになってほしいという(鋤柄)社長の期待に応えられるよう頑張りたい」と結ぶと、会場から激励の拍手が送られました。

     国内の研修や技能実習を担当する本部・海外事業部の萬代保男人材育成担当部長は、「これまでもセンターと支部が一体となって活動してきたが、各支部の会長さんからは、『研修生の存在こそが組織の発展につながっている。センターとの連携を密にして、運営や財源確保の面でもバックアップしていく』とのコメントもあり、心強く感じた。センターと支部がより連携を密にしながら人材の育成に取り組んでいきたい」と話しました。

    会場にも情熱が伝わるような鋤柄氏のプレゼンテーション
    スピーチをしたウィン(右)と一緒に実習するタン。会場ではミャンマー支援・緊急募金への協力を呼びかけた
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