今年はオイスカがミャンマーで活動を始めてから25周年の節目の年です。国内で最も貧困度が高いといわれる中央乾燥地域において、農村開発研修センター(1997年開所)、農業指導者研修センター(2017年開所)の2センターを拠点に農村の発展に寄与する人材の育成のほか、周辺農村の地域開発や環境保全などの活動を実施してきました。
ミャンマーでも他国と同様、コロナ禍による教育や経済などさまざまな面での影響を大きく受けていますが、2月1日に発令された非常事態宣言後には、日本でも報道で伝えられている通り、政治情勢が不安定となり、多くの国民がさらに困難な生活を強いられる状況に陥っています。国連機関の報告では、22年までに貧困層が倍増する恐れがあるとされ、実際、オイスカの2つのセンター周辺の農村でも、農業のサプライチェーン全体が壊滅的な打撃を受ける中、多くの住民が困難に直面しています。
そのような中、両センターでは、昨年度に続き、今年度も新規研修生の受け入れを断念せざるを得なくなり、現在はスタッフのみで農産物の生産やその加工、鶏や豚の飼育管理、可能な範囲での生産物の販売といった活動を継続しています。
これまではスタッフの安全を最優先に考え、センター内での活動を中心に続けてきましたが、今後を見据え、本部と現地とで検討を進め、地域住民の生活や地域の復興に役に立つ取り組みを実施することを決定しました。開始時期については、情勢が落ち着くのを注視しながら見極める必要がありますが、住民の生活状況の改善や地域の復興に向けたニーズを調査しながら、オイスカがこれまで取り組んできた農業や地域開発、教育などの分野での支援を行っていきます。
日々の困難に向き合いながら、さまざまな事業を可能な限り止めないよう、今できる活動を懸命に進めています。皆さまからのご支援よろしくお願いいたします。