2021年2月26日

【国内ニュース】東日本大震災から 10 年「海岸林再生プロジェクト」 は第2フェーズへ

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  • 昨年11月本数調整伐試験地を設定

    東日本大震災から10年を迎え、その長期復興支援活動と位置づけて取り組んできたオイスカの「海岸林再生プロジェクト」(以下、プロジェクト)は、第1次10ヵ年計画を終えようとしています。最終年度となった2020年度は、コロナ禍により、各地で予定していた活動報告会といった人が集まる行事の開催は、大幅な変更を余儀なくされました。2月初旬に予定されていた国(林野庁)主催の海岸防災林復旧事業完了の式典は開催を見合わせました。植栽地において春から秋にかけて毎月行われるボランティア活動も、通常は全国からの参加がありますが、今年度は中止、規模の縮小や宮城県内に限定した募集などの対応を迫られました。そのため、ボランティアの手によるツルマメの抜き取りといった作業は思うように実施できませんでしたが、プロの手で進めるべき作業については、当初の計画通り実施することができました。

    プロジェクトでは年に2回、全国のオイスカ会員、プロジェクトへの寄附者、ボランティア参加者などに、進捗を伝える活動レポートを送ってきました。今年2月に発行した最後となるレポートは、これまでのご支援に感謝を伝える内容になっており、プロジェクトでクロマツの植栽を進めてきた海岸林の所有者である林野庁の本郷浩二長官、宮城県の村井嘉浩知事、名取市の山田司郎市長からのコメントも掲載。この中で村井知事は、「NGOと行政の連携のもと、地域住民やボランティアが主体の取組として、 我が県の海岸林再生の象徴的な活動となった。 多くの方々の被災地へ寄せる温かい思いや、復興に貢献しようという情熱を強く感じた」とコメントし、8億円超の募金に協力された方々、1万人を超えるボランティア参加者に謝意を示しました。

    プロジェクトの寄附金の募集は今年の3月末で終了しますが、当初からの計画通り、植栽を終えたエリアの育林などは、今後も継続して取り組んでいきます。4月から始まる21年度以降は、「第2次10ヵ年」と位置づけ、来年度はこれまで通りのボランティアによる育林作業のほか、次の活動も予定しています。

    10年間を振り返る写真展を名取市役所で開催。東京からの移動を自粛していたため、市役所職員が掲示作業をしてくれた

    ①本数調整伐の試験開始
    4月から5月にかけ、調査地(0・12ha)において4種類の伐採率で実施
    ②排水路工事
    毎年遊水池化する箇所の抜本的改善工事を、下半期に実施
    ③看板の設置
    上半期に、海岸林の意義などを伝えるための看板2つを人々の往来のある場所に設置
    ④除間伐
    14年度植栽地の一部、成長がよい箇所のクロマツを下半期に間伐

    震災から10年が経ち、行政の復旧への取り組みも一つの区切りがつけられましたが、「海岸林再生プロジェクト」は、今後もより強いクロマツ林を育てる活動を続けていきます。引き続き、ご支援よろしくお願いいたします。

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