■ ガンジス川流域への初の植林活動を開始
再活性化への第一歩
9月6日、NMCGにてガンジス川流域の現状と現在の取り組みについて説明を受け、今後オイスカと進める再活性化プロジェクトの意見交換を行った
国民の約40%が居住しているインド・ガンジス川流域では、生活排水による水質汚染や26%という森林被覆率の低さ、住民の環境保全への意識の欠如などの問題があります。これに対し、インド政府は同地域において植林、有機農業の普及、農村女性の能力向上の3つを重要施策に掲げ、環境改善に取り組んでいます。
オイスカ・インターナショナルは2017年6月、同国政府との間に、ガンジス川流域の再活性化を目指す協約を締結しており、そのためのプロジェクトを立案。先駆けとして、オイスカ・インド総局とバラナシ支局(以下、支局)が中心となり、今年9月7日にはウッタルプラデシュ州(以下、UP州)サンバル、9日には同州バラナシで植林活動を実施しました。
当日は、日本から中野利弘常任副総裁をはじめとする16名が参加。サンバルでは、300人超の中高生も加わり、マンゴーやモリンガなど100本以上を植林。前週から学生の手により、すでに進められていた植栽本数を合わせると、7樹種1190本の苗木が植えられました。またバラナシでは、バサンタ女学校(VasantaCollege for Women)構内と、ガンジス川に面した水運第一ターミナル(IWAIターミナル)で植林が行われ、日本大使館の安藤俊英公使や、JICAインド事務所の松本勝男所長も参加しました。
サンバルのモデル農場で植林を行う参加者の見原隆明氏。農場は、前オイスカ・インターナショナル副総裁であり、インド総局会長であった故D.N.シンハ氏により、オイスカのプロジェクトに活用してほしいと意向のあった土地(36ha)
インドでは、1992年から「子供の森」計画を中心に植林が行われてきましたが、支局にとっては、本格的に植林に取り組むことは今回が初めて。調整や準備に試行錯誤しながらも、ガンジス川流域再活性化のための政府機関であるNMCG、政府中央省庁、日本大使館、JICAインド事務所などとの連携・参加を得ての〝キックオフ植林〞となりました。
今後オイスカは、サンバルの植林地をモデル農場とし、植林のほか2つの施策への協力も実施していきます。
※1 Inland Waterways Authority of India
※2 National Mission for Clean Ganga
■ オイスカ国際活動促進国会議員連盟
インドのオイスカ活動地を訪問
バラナシの開発協力予定地に集まった住民たちと。前列右から4人目が石破会長
8月25〜28日、オイスカ国際活動促進国会議員連盟の石破茂会長をはじめとする議員5名が、インドの首都デリーとUP州のバラナシを訪問しました。
一行はデリーで日本大使館を訪問し、平松賢司特命全権大使(当時)と懇談したのち、デリーから東へ800㎞のヒンズー教の聖地バラナシを視察。当地では、今後オイスカが実施するプロジェクト予定地を訪問し、住民との交流や意見交換を行いました。また、「子供の森」計画の参加校を訪問し、熱烈な歓迎を受けるなど国際親善にも大きな役割を果たしました。
「子供の森」計画参加校で生徒から歓迎を受ける
衛生面での悪影響が伝えられる大河ガンジス川の汚染状況や、ブッダが初めて説法をしたサルナート遺跡の視察では、太古からの歴史に思いをはせる機会となりました。
今回の訪問は、石破会長にとって17年ぶりのオイスカの海外現場視察。各訪問先で熱心に住民からの聞き取りを行い、写真撮影に応じるなど精力的に活動され、同行した谷公一、井上信治、務台俊介、穴見陽一各議員とともに、世界第2位の人口を持つインドの可能性と、世界最古の都市ともいわれるバラナシの混沌とした状況に大いに刺激を受けた様子でした。