2017年11月13〜16日、「マラ公団・オイスカ ビジネスフォーラム」がサバ州の州都コタキナバルで開催されました。同地は海や山など自然環境豊かなボルネオ島に位置しており、そうした観光資源を活かしたエコツーリズムなどが盛んなほか、再生可能エネルギーとして注目されている多様な農産物が栽培されていることから、中央政府は同州におけるビジネスの拡大を目指しています。サバ州のダト・ヤヒア・フシン副首席大臣をはじめ、農業大臣、MIDA(マレーシア投資開発庁)、MATRADE(マレーシア貿易開発公社)など同国の経済界の代表者のほか、同州を中心に約600社が参加し、フォーラムへの強い期待がうかがえました。
日本からは65社が参加し、ビジネスマッチングのセッションでは、現地企業からさまざまなサンプルやパンフレットが持ち込まれ、一つの業種にこだわらず、あらゆる方面から日本企業との協働の可能性を探る積極的な姿勢が見られました。さらに今回は、ジョホール州政府によって設立された投資会社ジョホール・コーポレーションの理事・監査役であるダト・イブラヒム・アハマド氏(マラ公団前理事長)およびハラール産業の発展と集積を図るための工業団地であるイスカンダルハラールパークの代表により特別講演が行われました。これは、日本企業に「ハラール」に対する理解を深め、関心をもってもらおうと企画されたものです。食品産業以外の分野の参加者からも、「ハラール認証を受けることでビジネスチャンスが広がることが分かった」といった感想が寄せられました。
また、マラ公団とオイスカとの提携50周年の記念夕食会が盛大に開催され、挨拶に立ったオイスカ・インターナショナルの中野利弘副総裁は、「これまでに1千名を超えるマレーシアの若者が、オイスカを通じて日本での研修や実習に参加した。帰国後には起業するなど、ふるさとの発展に貢献する目覚ましい活躍を見せている」と話し、本フォーラムの目的の一つが、そうした人材が活躍するフィールドのさらなる拡大であることがあらためて参加者に伝えられました。
6回目となったビジネスフォーラム。回を重ねるごとに日本・マレーシア両国の企業の相互理解が深まり、商機拡大にとどまらない、長期的な人材育成を視野に入れた連携が進んでいます。